由仁町立診療所のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

私たちの診療所は、北海道の郡部にありながら、入院・救急・在宅医療をすべて一つの拠点で提供している、全道的にも珍しい医療機関です。

この地域では、高齢化の進行とともに、ひとり暮らしの高齢者が増え、交通の便も年々厳しくなっています。
そうした現実を受けて、病気や介護が必要になっても、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる仕組みづくりに取り組んできました。
既存の制度の枠にとらわれず、地域に本当に必要とされるサービスを柔軟に展開しています。

たとえば、夜間の体調急変時に看護師や医師が訪問する「診療所駆けつけサービス」は、2020年から警備会社との連携によりスタートしました。
2018年の診療所転換後には、訪問診療・訪問リハビリを開始し、2023年からは訪問看護も導入しました。
病棟の看護師も、退院後の患者さんの支援や地域への訪問(アウトリーチ)に積極的に取り組んでいます。
今後も、全職員が「地域の困りごと」にフットワーク軽く飛び出していける体制づくりを進めていきます。
その目的は、診療所が来院された方だけでなく、この町で暮らすすべての人の暮らしを医療の面から支えることにあります。

こうした取り組みには、多職種が力を合わせることが不可欠です。
私は、従来の“連携”という枠組みだけではなく、職種の壁を越えて地域の中で“統合”されたときにこそ、質の高い地域医療が実現できると信じています。

地域医療や在宅医療に関心のある医師・看護師の皆さん、ぜひ一度、由仁町での取り組みを実際に見に来てください。
大変なこともありますが、医療が人の暮らしを支える実感を得られる場所だと自負しています。

どんなに小さな町でも、良い医療をあきらめない。
目指すは、「南空知を地域包括ケアの先進地に」。
その挑戦を、ここ由仁町から続けていきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

2025年6月
由仁町立診療所 所長 島田 啓志